たはむれに釦をはづす妹よ悪意はひとをうつくしくする 萩原裕幸
十月の暦がひらり「会えない」と「会わない」の差を君は知らない 俵万智
ひかれあうことと結ばれあうことは違う二人に降る天気あめ 俵万智
灰皿を取り替えられて恐れ入る君とは 恋にならない予感 佐藤真由美
最低の恋人だったぼくたちはゴーダチーズを指でえぐった 佐藤りえ
いつのまにか吾を呼びすてる男いてフルーツパフェを食べさせたがる 俵万智
逢うたびに抱かれなくてもいいように一緒に暮らしてみたい七月/俵万智
「平凡な女でいろよ」激辛のスナック菓子を食べながら聞く 俵万智
天使にはできないことをした後で音を重ねて引くプルリング 穂村弘
とりとめのないきれいごと聞きながら君のかけがえなさを想った 斉藤斎藤
